Folding@home [edit]

Folding@homeとは [edit]

Folding@homeはタンパク質がどのように自力で組みあがっていくか(folding)を
シミュレートし解明する分散コンピューティングプロジェクトです。

アルツハイマー、狂牛病、パーキンソン病などはタンパク質の異常なfoldingが
原因と考えられており、foldingを解明することはこれらの疾患の解明につながります。
みなさんのコンピューターの余力を使って、タンパク質のfoldingという
複雑な問題を解明しましょう。

BOINCのプロジェクトではなく、専用のソフトウェアの導入が必要です。

Folding@homeとRosetta@homeの違い [edit]

Folding@home も Rosetta@home も、どちらもアルツハイマー病のようなタンパク質に関する疾患を研究していますが、次のような違いがあります。

Folding@home
Folding@homeは、分子動力学モデルを使用して、タンパク質がどのような経路を経て折りたたまれるのか、そして誤った折りたたみがなぜ疾患を引き起こすのかというプロセスを理解し、治療法を見つけようとしています。Folding@home は、Rosetta@homeのようにBOINCプラットフォームを用いず、自前で多くを行っています。(プラットフォーム間の互換性の問題のため)
Rosetta@home
Rosettaは、エネルギー的に最も安定して可能性が高いタンパク質の構造を研究しています。それが実際の分子の形状かや、折りたたみが実行可能かどうかは定かではありません。Rosettaはまた、タンパク質どうしの結合予測でも使用され、こうした相互作用の理解は医薬品設計において重要な知見を与えます。

Rosetta@homeの結果は、Folding@homeのプロジェクトの基礎として利用されます。その逆に、Folding@homeの結果は、Rosetta@homeの結果を検証するために利用されます。

2020年4月現在、Folding@homeの浮動小数点計算能力はRosetta@homeの約2000倍(1360 PTLOPS/0.62 PFLOPS)です。

Folding@homeの参加方法 [edit]

Folding@homeに参加することで、あなたのPCの計算能力をプロジェクトが行っている研究活動に貢献できます。貢献の度合いはデータ処理量や処理時間に基づくポイントで表現されます。

Folding@homeへの参加のしかたは、匿名としての他、ユーザ名を持った個人として、または個人が集まったチームに参加することもできます。

参加のステップ:

1. アプリをダウンロードし、インストールします

2. ユーザ名を登録します(任意)

3. Team 2chへ参加します(任意)

1.アプリをダウンロードし、インストールする [edit]

仮想通貨watchさんのページがわかりやすく解説されています。

新型コロナウイルス治療の解析ボランティア。自宅のパソコンで可能

これだけでFodling@homeに貢献することができます。

2. ユーザ名を登録する (任意) [edit]

ユーザ名を登録し、アプリに入力することで、あなたのプロジェクトへの貢献がサーバ上に表示され、数値(ワークユニット(WU)数、ポイント数)で確認できます。またより多くのポイントを得られます。



参加方法は下記テンプレの >>1 をご覧ください。

3.Team 2chに参加する (任意) [edit]

チーム番号に162と入れればチーム2chに入れます。
あとは勝手にやってくれます。

おすすめの設定方法など [edit]

今行っている宿題が99%より前に次の宿題を確保したい時 [edit]

高速CPU/GPUを使っていたら Next Unit Percentageの設定をしておくと良さそう

Advanced Control > Configure > Slots > (Slotを選択) > Edit > Addボタン

name に 「next-unit-percentage」、Valueに90から100の数字を入れる

デフォルトが99で、WUの処理が99%まで進んだら次のWUのダウンロードが始まるという設定。

95とかにすれば、WUの処理が終わったのに次のWUが落ちてきてない、ということを抑制できるはず。

ブラウザ上の管理画面がうまく表示できない場合 [edit]

用語集 [edit]

WU (Work Unit)
課題、あるいは宿題と言ったりする。割り当てられたWUをFolding@homeのサーバーからダウンロードし、折り畳みの計算をして、サーバーに結果を送信する。計算内容はタンパク質が折り畳まれる過程の小さなタイムスライス (small time-slice of protein processing*1)。
ETA (Estimated Time of Arrival)
処理中の課題が完了するまでの推定残り時間
Base Credit
課題クリアで貰えるポイント。数値が大きいほど時間がかかる重い課題。課題ごとのBase Creditはこのページで見れる。
Estimated Points, Estimated Credit
推定獲得ポイント。処理中の課題を現在のスピードでクリアした際に得られる推定ポイント。passkeyを登録していると早期リターンボーナスが加算される。
Estimated PPD (Points Per Day)
処理中の課題を丸1日回していたら得られるであろう推定ポイント。課題待ちの待機が多い為に実際には半分もいけば良いほう。

GPU性能の指標に使われることが多い
Estimated TPF (Time Per Frame)
課題処理が1%進捗するのにかかる時間
PRCG
Work Unitを一意に識別する番号の組。次の書式で、4つの番号で表示される。
Project番号 (Run番号, Clone番号, Generation番号)
Runは温度や初速度などの異なる初期条件、Cloneは計算対象の軌道(?)、Generationは時間軸を示す。タイムアウトした場合を除き、同一のPRCGが複数回配布されることはない。
Slot
WUを処理する受け皿。1つのスロットに1つのWUが割り当てられる。スロットごとにCPUかGPUかを選択する。1スロットに複数のCPUコアを割くこともできるし、1スロット1コアにして複数のスロットを用意することもできる。
Quick Return Bonus (QRB)
早期リターンボーナス。条件を満たした場合、課題の提出が早ければ早いほど高いボーナスポイントが得られる。
passkey
passkey(パスキー)は、個人を識別しFolding@homeに対する貢献を個人に結びつける秘密の文字列である。passkeyによって、他の人が同じユーザー名を使って不正行為をするのを防ぐことができるほか、Quick Return Bonus(QRB)ポイントを獲得するために必要である。passkeyはこのページから入手してFAHクラアントに設定する。

Tips [edit]

早期リターンボーナス [edit]

以下の条件を全て満たしている場合、Base Creditに加えて、提出時間に応じたボーナスポイントを得られる。

Base Creditと早期リターンボーナスを合計した獲得ポイントは次の式で計算される*2

獲得ポイント = BaseCredit × sqrt(k × Expiration(days) ÷ ElapsedTime(days))

ExpirationとElapsed Timeは日単位。課題ごとに設定される係数kは基本的に0.75(以前はプロジェクトの重要度などによって変動していた)。計算結果がBase Creditを下回る場合はBase Creditに切り上げられる。Elapsed Timeは割り当てから提出完了までの時間であるため、実際の処理時間に加えて課題のダウンロード時間と結果のアップロード時間も含まれていることに注意。

同様に、PPDについても次の式で計算される。

PPD = BaseCredit × 14.4 ÷ TPF(min.) × sqrt(14.4 × k ×Expiration(days) ÷ TPF(min.))

使用する変数がTPF(分単位)になっている点が異なる。

例として、BaseCredit = 9,405、Expiration = 8日+4時間48分、k = 0.75の課題を
TPF = 1分20秒、ElapsedTime = 2時間20分で処理した場合の獲得ポイントとPPDは以下のようになる。
獲得ポイント = 9,405 × sqrt(0.75 × 8.2 ÷ 0.09722)
       = 74,802
PPD = 9,405 × 14.4 ÷ 1.333 × sqrt(14.4 × 0.75 × 8.2 ÷ 1.333)
    = 828,123

処理時間と獲得ポイントは次のグラフのように相関しており、早ければ早いほど高いボーナスポイントが得られる。

処理時間と獲得ポイントのグラフ

*1 https://foldingforum.org/viewtopic.php?f=24&t=26036&sid=b6204937b1fdc7600d9402b8b0dab1e6#p327409
*2 公式FAQより

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