PCは大規模な集積回路(IC)の集合体によって構成されている。
この集積回路内部で電流の流れを制御することによって演算処理を行う。
電流が流れることにより演算が行われるが、その過程で熱が発生する。
その熱によりさまざまな電子部品・電子回路に悪影響を与えたり、PCの排気による室温の上昇並びに騒音等の影響が発生し人体にも影響を及ぼす。
そのため、発生する熱に対する効率的な冷却、つまり熱対策が重要となってくる。
熱によるPCへの影響
熱による人体及び周辺への影響
これらの熱による影響を軽減させるためには冷却を施すことが重要である。
冷却をするために主に3つの対策方法あある。
1.環境の改善
2.ハードウェアの対策
3.ソフトウェアの対策
基本的に熱源に近い場所から対策した方が効果が上がる。(熱源はCPUやGPUなど)
パーツ→ケース→部屋→空気の流れ→空気の温度→空気の温度変化の順番で熱対策を検討する
効果大
↑CPUやGPUを消費電力の低いものに変える
|ヒートシンクやファンを交換
|PCケース内のエアフロー改善
|PCケース交換
|設置場所や配置を変える
|扇風機などを使う
|部屋の換気を良くする
|窓から直射日光が当たらないようにする
|窓にすだれなどを掛ける
|空気の入れ替えが行われやすい縁側などに移動する
↓住む場所を変える
効果小
PCの設置場所を変更したり、部屋の換気を良くしたりすることにより冷却を図る。
また、空調を動作させるという手もある。
空調設備を交換する際には熱容量計算を行うことをおすすめする。(通常のPCよりも発熱量が増えるので一般的な熱容量計算では冷却能力が不足するため)
PCを換気扇の近くに配置したり、空気の流れを考慮して設置位置を数十cm高くしたりすることで改善を図れる。
壁・障害物から数十センチ離すことにより空気の流れがよくなる。
利用しない時間はモニターの電源を切ることで消費電力の低減及び熱の発生を防げる。
最新の事例として、海外のデータセンターでは外気冷却を取り入れているところがあります。これを応用し物置に設置したりするという方法も考えられます。(ただしセキュリティや漏電に注意)
最新の事例では、日本のスーパーコンピュータ「京」においてラックに搭載されたシステムボードを斜めに搭載することにより、空気の流れを最適化している。
(単に斜めに配置すれば良いというものではなく、様々なシミュレーションや解析を行い、最適な空気の流れを求めた一例である。個人でもPC間の配置を工夫したり空気の流れを考えて配置を最適化すれば冷却効率が上がる。)
また、メーカー製サーバなどでは内部にシュラウド(風導板)が設けられていることがある。これはFANの風を板に当てて空気の流れを生み出しより高い冷却効果をもたらす。
正しく設計されているシュラウドには空気の流れる速度を加速するために狭くなっている場所があります。この場所をベンチュリと呼び、ベンチュリ効果により空気の流速が上がります。
また、流速が上がると圧力が低下します。圧力が低下している場所に空気の取り込み口を設けるとエジェクタ効果により空気の流れる量が増えます。これによりより効果的に冷却することが出来ます。このエジェクタ効果は最新世代のメーカー製サーバやワークステーションに利用されています。(エジェクタ効果によりジェットエンジンの騒音を低減する研究も行なわれているため、うまく応用すればPCの騒音を少なくすることも可能と思われます。)
冷却は温度を測定することによってどれだけ効果が表れたかを評価するのが最もシンプルであろう。
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Linux
hddtemp HDDの温度を表示。
CPUの上限温度は各種CPUのTDP一覧の最大温度を参照。デスクトップは60度、ノートは80度以上だと大体ヤバイ。